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第26回 患者が増える医院の基本(3)

北海道も11月に入り、雪の季節になりました。10月末には札幌ではササラ電車が稼動し本格的な冬が一歩近づきました。

前回は自医院のマーケティングの基本として、診療圏調査の仕方等について紹介しましたが今回は集患の方向性について説明いたします。

(1)集患戦略の方向性

自医院の自己評価、患者アンケート、診療圏調査などを実施しても、その結果を経営改善に生かし、集患に結びつけなければ意味がありません。アンケートや調査によって把握された患者ニーズ、及び、地域の状況に応じた経営戦略を立て、それを実現していくことが必要です。

その際、大きくわけて三つの方向性があります。「専門性を深める戦略」、「かかりつけ医の機能を強化する戦略」、「高齢者ケアに取り組む戦略」の三つです。

「専門性を深める戦略」

  • 一般の内科系診療所、外科系診療所から脱皮して、専門性を打ち出す道はいくつかあります。内科系では糖尿病や肝臓などの専門外来を設ける。整形外科ではリウマチ、骨粗鬆症といった疾患の診療に力を入れれば、セールスポイントになります。
  • 情報提供の意味を含めて、専門分野の健康教室を開催していくとさらに効果的です。又、専門性を高めると同時に、専門領域外の疾患については、病診・診診連携を図る必要性があります。そうすることで、自院の患者さんからの信頼を高められ、診療圏外からの患者の紹介を得る事もできます。
  • 臓器や疾患別にまで細分化しなくても、診療科目を内科・胃腸科・小児科の3科目から、循環器科のみの1科目に変更して、多くの患者を集めた診療所もあります。又、診療所名を「○○内科医院」から、「○○循環器クリニック」とするだけでも十分PRになります。
    ただ、診療所がこうした取り組みを始めるには、院長自身が特定の診療分野のエキスパートであることが前提になるのは言うまでもありません。

「かかりつけ医の機能を強化する戦略」

  • 家庭医として、プライマリケアの徹底を図る戦略があります。そのためには、まず、患者そして家族から、医療に関して何でも相談できる医師として、全幅の信頼を得なければなりません。その上で、携帯電話などで緊急時に連絡の取れる体制づくりが不可欠になります。
  • 往診をはじめとする在宅医療への取り組みも、避けて通れません。訪問看護ステーションや介護老人保健施設等を併設するか、そうでなければ、しっかりしたステーションなどと密接に連携を図ることが、かかりつけ医として最も大切なポイントと言えます。
  • 一昔前の開業医の診療スタイルに戻って、診療所に閉じこもらず、外に出て積極的に動く必要があります。特に、患者・家族の安心と信頼を得るためには、ケアの継続性が必要になります。

「高齢者ケアに取り組む戦略」

  • 地域の高齢化や在宅医療の進展によっては、高齢者ケアに力を入れることも、集患の手段になります。診療所の場合、老人デイ・ケアへの取り組みも有力手段になります。老人デイ・ケアとは、精神面や運動機能に障害を持つ高齢者を対象に、レクリエーションなどを通じて、機能の回復・維持を図ります。老人デイ・ケアの実施により、診療圏が拡大し、来院患者数も増加し、収入面でもプラスになります。

もっとも、診療体制を見直さず、また多額の費用をかけなくても、集患を図ることができます。その第一の方法は、日々の診療の見直しです。医師がしかるべき臨床技術を持っていても、問診の仕方や説明の上手下手といった患者との応対方法によって、その医院の患者数は大きく左右されます。又、各種調査を見れば、往診の実施や病院・診療所、場合によっては福祉施設への適切な紹介が、患者のニーズとして常に上位を占めています。こうした診療に直接かかわるサービスの改善に取り組み、又、地域の患者層に合わせた診療時間の設定や、待ち時間の短縮などが、患者確保のセールスポイントになるでしょう。

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