トップページ » 福祉医療トピックス » THE 医業経営 » 第28回 患者が増える医院の基本(5)

第28回 患者が増える医院の基本(5)

厳しい寒さも和らぎ、札幌雪祭りも終わり、雪解けの気配を感じる季節になりました。もうそこまで春が近づいている日々です。

患者が医院に求める基本であるインフォームド・コンセントについて今回は説明します。
患者への懇切丁寧な説明には、インフォームド・コンセントの実践という側面があると同時に、それにより患者の信頼を得て、集患につなげるという経営的側面もあります。

特に、マスメディアを通じて患者の医学知識も増え、同時に権利意識も高まってきている現在は、医師の説明の良しあしが、医院の来院患者数を左右する時代になってきています。

インフォームド・コンセントとは

厚生省「インフォームド・コンセントの在り方に関する検討会」の報告書によると、その基本的な考え方は「患者が自らの状況を認識して前向きの闘病と生き方を自覚することであり、医療従事者が専門的職業人として患者の生き方のより良い支援者となることに生きがいを感じること」とされています。

また同報告書は、具体的なあり方として、「医療従事者側から、医学的な情報に加えて、検査や治療行為に伴なって生じる生活上の変化、療養のために利用可能な各種の保健・福祉サービスについての情報、かかる費用等をも含む懇切丁寧な説明が求められる」とされています。

インフォームド・コンセントの基本要素

  1. 治療についての正確な説明します。
  2. 治療に伴なう不快さと危険性の説明します。
  3. 予測できる利益、不利益の説明します。
  4. 代替できる有効かつ適切な方法の説明します。
  5. 治療に関するすべての質問に答えます。
  6. 患者はいつでも同意を取り消す自由を留保します。

病状の説明の仕方

病状を説明する場合、ガンなど告知に慎重とならざるを得ない疾病を除き、病名を教えることが必要である。病名を告げないままに治療方法を説明しても、患者はなぜ、そのような治療を受けるのかがわからず、ストレスを感じる事が多い。疾病によっては、正式な病名よりも通称を教えた法がわかりやすい場合もあります。また、わかりやすく説明するためには、患者の視覚に訴えることも必要である。内臓の模型や人体図、医学書の写真などを使い、体のどこがどのように悪いのか、具体的に説明します。また、パンフレット類を積極的に活用すると効果的です。

検査の説明の仕方

検査が必要な場合の説明ポイントとしては、次のことが挙げられる。

  1. 病状に照らし合わせ、なぜこの検査が必要なのかをわかりやすく説明します。
  2. どのような方法で検査を行い、それには痛みが伴うのかどうかを説明します。
  3. 検査をした場合となかった場合の、メリット・デメリットを説明します。
  4. 検査前後の処置やその際の注意事項、検査後に予想される症状や対処方法については、あらかじめパンフレットを作成しておくと説明する手間が省けます。
  5. MRIなど自己負担額が高額になる検査については、検査当日の窓口での支払金について、事前に説明します。

投薬時の説明

実際に投薬する祭の説明のポイントとしては、以下のような項目が挙げられる。

  1. 初回投与時は病状の説明を十分にして、何の目的で服用するのか、どのような効果があり、予後にどう影響するのかを十分に理解してもらいます。
  2. 起こり得る副作用について説明する。抗生剤による下痢、気管支拡張剤による手のふるえるなどは、必ず言及しておきます。
  3. 副作用の起きた場合の対処法を、具体的に説明します。
  4. 小児の場合、年齢に合った服用の仕方や回数を説明します。
  5. 今後、病状に変化があった場合に、薬を変える可能性があるのかどうか説明し、次回の来院日を指定します。
  6. 飲む量を守ることの大切さについて説明します。

つまり、インフォームド・コンセントは、万一の場合に医師が責任を回避するための、形式的・画一的な説明や同意の確認ではなく、医師と患者との信頼感の絆の役割を果たすものでなければなりません。

専門知識のない患者にとって、医師からの説明が納得できるものであれば、病気に対する不安が軽減され医師への信頼感が増します。逆に、説明が不十分なものであれば、医師への不信感を生む場合もあり得ます。

医師が患者に伝えるべき内容としては、病状の説明、病名、検査の説明、検査結果の説明、治療方法、投薬についての説明などが挙げられる。また、伝え方で注意しなければならないのは、患者にわかる平易な言葉で説明することである。英語やドイツ語を使うことは避けるともに、専門用語から日常用語への言い換えが必要です。また、説明の語に「何かご質問はありませんか?」と付け加えることで、納得や理解が不十分な患者に満足して帰ってもらうことができます。

『第28回 患者が増える医院の基本(5)』はお役にたちましたか?
「いいね!」をクリックして感想をお寄せください!