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介護保険改正法案を閣議決定 -地域包括ケアの構築目指す-

「介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案」が閣議決定され地域包括ケアシステムの構築を目標に掲げ、在宅中重度者の支援を意識した基盤整備を強化する。とりわけ医療と介護の連携強化を柱とし、介護福祉士らには医師の指示に基づくたんの吸引などを「業」として認めることとなった。(施行は一部を除き2012年4月1日)

改正法案の狙いは地域包括ケアシステムの構築に向けて、介護保険事業計画や人材養成などサービス提供の基盤を強化し、とりわけ2012年度の診療報酬・介護報酬同時改定を視野に入れ医療との連携強化に力を入れることにある。

注目されるのは自公政権時代に法改正して決めた「介護福祉士の資格取得方法の見直し」「介護療養型医療施設の廃止」の2点。いずれも介護現場からの批判が根強いため、現政権は延長が必要と判断した。

介護福祉士の取得方法は、実務経験3年以上に加えて600時間以上の養成課程を経ることが2012年度の国家試験から要件とされることになっていたが3年延長して2015年度からとする。

「600時間」は法律事項ではなく厚生労働省は検討会を経て「450時間」の研修に改める方針を決定。「450時間」や介護福祉士養成施設のカリキュラムにはたんの吸引などに関連する事項を加え、2012年度から開講したい意向だ。

たんの吸引などは医行為とされ、介護福祉士らが実施すると違法となり得る。現在は一定の要件を満たした場合に例外的に認められているが今回、介護福祉士の定義条文中の「介護」にたんの吸引など厚労省令で定める行為を追加する。

「介護」に追加される行為は、医師の指示のもとに行われるもの。介護福祉士は保健師助産師看護師法の規定にかかわらず、診療の補助としてそれらを業とすることができる。

同法の施行日は2015年4月1日だが、それ以前であっても介護福祉士が都道府県に登録した研修機関の研修を修了して知事から認定証を交付され所属する施設や事業所が都道府県に登録すれば実施できる。

一方、「介護福祉士以外で介護の業務に従事する者」も同様の研修を修了して認定証を交付され、所属する施設や事業所が都道府県に登録すれば医師の指示のもと厚労省令が定める「特定行為」を業とすることができる。これは同法の付則に位置付けた。

介護療養型医療施設をめぐっては、政府の思惑通りには老人保健施設などへの転換が進んでいない。廃止されると行き場のない入院患者が発生することが懸念されるため、改正法案は2011年度末の廃止時期が6年延長となった。

又、2012年4月1日の時点で指定を受けている施設は、2018年3月31日まで関連規定の効力を有するものとした。
厚労省は2012年度以降の新規の指定は認めず、既存の施設に対しては引き続き老健施設などへの転換支援策を講じるという。

改正内容を議論した昨年の社会保障審議会介護保険部会で厚労省は、65歳以上の保険料が全国平均で月額5,000円を超えるとの見通しを発表。それを避けるために給付を抑制することや利用者負担割合を引き上げることを論点とした。

しかし、それらのうち保険料の上昇を穏和する観点で改正法案に反映されたのは、「財政安定化基金の取り崩し」(2012年度限り)だけだ。
2011年度末で終わる介護職員処遇改善交付金も相当額を、2012年度から介護報酬に反映するのかどうかも未決定である。

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