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国の補正率引き上げ 福祉施設の復旧を支援

政府は、東日本大震災の被災地復旧対策を中心とする2011年度第1次補正予算案を閣議決定した。財政支出額は、阪神淡路大震災後初の補正予算の約4倍にあたる4兆153億円。厚生労働省関係は1兆8407億円で、福祉部局のものは応急仮設住宅の建設、社会福祉施設を復旧する際の国庫補助率の引き上げ、介護や障害福祉サービスの保険料、利用料の負担軽減措置、被災者に対する相談・生活支援が柱。財源は基礎年金の国庫負担割合(2分の1)を維持するための予算を転用するなどして確保し、国債発行は回避する。

災害救助法に基づくものとしては、応急仮設住宅を10万戸(11年度予備費によるものを含む)用意する。被災した社会福祉施設の復旧費用については、国庫補助率を現行の2分の1から3分の2に引き上げる。
引き上げの対象は、高齢者分野ではグループホーム、軽費老人ホームといった入所系のほか、小規模多機能型居宅介護、地域包括支援センターなど。障害分野では障害者支援施設、グループホーム・ケアホーム、就労継続支援事業などが、児童分野では児童相談所、認定こども園、子育て支援拠点などが対象。 老人保健施設、訪問看護ステーション、老人福祉センター、児童館などは、現行の補助率3分の1から2分の1に引き上げる。
特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、保育所、児童養護施設などは「激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律」に基づいて財政援助する。

同法は主に、公立施設を復旧する際の自治体負担を軽減するもの。財政力の弱い自治体ほど国が手厚く補助するが、「阪神淡路大震災の例では、最も手厚く補助された自治体の施設でも国の補助率は6~7割だった」という。
被災した人が負担する介護保険料、利用料、食費・居住費について厚労省は自治体に減免を促してきたが、その減免分を全額国費で補てんする。障害福祉サービスも同様だ。被災した介護保険の保険者(市町村)には、保険者機能回復のため人口規模などに応じて一定額を支援する。 被災者の生活再建も支える。ケアマネジャー、社会福祉士、精神保健福祉士らが避難所の高齢者、障害者の相談・生活支援にあたる費用や、応急仮設住宅にそうした支援拠点を併設する費用も補助する。相談にあたる専門職は、主に被災地で休業・離職した人が採用される見通しだ。 親を亡くすなどによりケアを必要とする子どもについては、自治体がその子どもの自宅や親類宅に心理の専門家を派遣する費用を補助する。そうした子どもを受け入れる児童福祉施設については、期限付きで相談・援助にあたる職員を採用する場合などの人件費を補助する。

このほか、福祉医療機構が被災施設に優遇融資するための資金も出資する。遺族への弔慰金(生計維持者が死亡の場合500万円)と被災者への障害見舞金(生計維持者が重度の障害を受けた場合250万円)には485億円、生活福祉資金の貸し付け(緊急小口資金の特例措置)の補助には257億円を計上した。 雇用関係では、事業の縮小を余儀なくされ、従業員に休業手当を支給した事業主の負担を一部補助する「雇用調整助成金」を拡充する。事業所が直接的な被害を受けたことにより休業や一時的な離職を余儀なくされた人は特例により雇用保険の失業手当を受給できるが、補正により受給日数を延長する。 雇用創出策としては都道府県の「重点分野雇用創造事業」の基金を積み増し、自治体が臨時職員として雇えるよう要件を緩和する。例えば、避難所での子どもの一時預かりや高齢者の見守り事業、高齢者宅の片付け事業などを想定。雇用期間は現在「1年以内、更新不可」だが、更新可能とする。

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