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第32回 患者が増える医院の基本(9)

8月を向かえ、北海道も夏らしくなり、暑い日々がつづいています。あとわずかでお盆を迎え、お墓参りをされる人も多いでしょう。

さて、前回は待ち時間短縮と職員の接遇ポイントについて説明しました。今回は広告規制等に関して説明をいたします。

広告規制の趣旨

医療法の広告規制に関する一部改正の趣旨は、医業又は病院・診療所に関する広告については、患者等の利用者保護の観点から医療法その他の規定により制限されてきたところですが、社会保障審議会における意見等を踏まえ、患者やその家族あるいは住民自身が自分の病状等に合った適切な医療機関を選択することが可能となるように、患者等に対して必要な情報が正確に提供され、その選択を支援する観点から、従来の法や告示のように一つ一つの事項を個別に列記するのではなく一定の性質を持った項目群にまとめて、「○○に関する事項」と規定する方式を導入することにより広告可能な内容を相当程度拡大することとしたものです。

基本的な考え方

医療に関する広告は、患者等の利用者保護の観点から、次のような考え方に基づき法又は旧告示により、限定的に認められた事項以外は、原則として広告が禁止されてきたところです。

  1. 医療は人の生命・身体に関わるサービスであり、不当な広告により受け手側が誘引され、不適当なサービスを受けた場合の被害は、他の分野に比べ著しい。
  2. 医療は極めて専門性の高いサービスであり、広告の受け手はその文言から提供される実際のサービスの質について事前に判断することが非常に困難である。

広告規制の見直しに当たっては、こうした基本的な考え方は引き続き堅持しつつも、患者等に正確な情報が提供されその選択を支援する観点から、客観性・正確性を確保し得る事項については、広告事項としてできる限り幅広く認めることになりました。

広告の方法及び内容に関して、次のとおりの規制が行われています。

  • 虚偽広告の禁止
  • 比較広告の禁止
  • 誇大広告の禁止

医業等に関して広告し得る事項

(医療法第69条)

  • 医師又は歯科医師である旨
  • 診療科名(政令で定めるもの、厚生労働大臣の認可を受けたもの)
  • 病院又は診療所の名称、電話番号及び所在地
  • 常時診療に従事する医師又は歯科医師の氏名
  • 診療日又は診察時間
  • 入院設備の有無
  • 紹介することができる他の病院又は診療所の名称
  • 診療録その他の診療に関する諸記録に係る情報を提供することができる旨

(厚生労働大臣の定める事項(告示))

  • 保険医療機関、救急告示病院、労災保険二次検診等給付病院・診療所である旨
  • 厚生労働大臣の定める施設基準に適合する保険医療機関である旨
  • 指定居宅サービス事業者又は指定介護療養型医療施設である旨
  • 財団法人日本医療機能評価機構が行う医療機能評価の結果
  • 予約診療の実施
  • 休日診療の実施
  • 往診の実施
  • 在宅医療の実施
  • 訪問看護に関する事項
  • 健康診査の実施
  • 保健指導又は健康相談の実施
  • 予防接種の実施
  • 薬事法に基づく治験に関する事項
  • 健康保険法又は老人保健法の規定に基づき厚生労働大臣の定める療養の実施
  • 費用の支払方法又は領収に関する事項
  • 入院患者に対して提供する役務及びそれに要する費用
  • 医師又は歯科医師、薬剤師の略暦、年齢及び性別
  • 医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の従業員の員数
  • 病床数又は病室数
  • 共同利用することができる医療機器に関する事項
  • 病室、機能訓練室、食堂又は浴室に関する事項
  • 対応することができる言語
  • 医療機関に併設されている介護老人保健施設又は医療法人の行うことができる業務に関する施設の名称
  • 紹介することができる他の指定居宅サービス事業者、指定居宅介護支援事業者、指定介護老人福祉施設、指定介護療養型
  • 医療施設又は介護老人保健施設の名称
  • 駐車設備
  • 都道府県知事の定める事項

標榜できる診療科名(医療法第70条、医療法施行令第5条の11)

(医業)

内科、心療内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、胃腸科、循環器科、アレルギー科、リウマチ科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管外科、小児外科、皮膚秘尿器科、性病科、こう門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、リハビリテーション科及び放射線科

(歯科医業)

歯科、矯正歯科、小児歯科及び歯科口腔外科

麻酔科は個別に厚生労働大臣の許可を受けた場合のみ、標榜することができる診療科名です。

院内掲示義務の概要

広告できる個別事項とは別に、来院した利用者に対する情報提供のため、以下の事項について病院又は診療所内の見やすいところに掲示することが義務付けられています。

(医療法に基づいて院内掲示が義務づけられている事項)

  • 管理者の氏名
  • 診療に従事する医師又は歯科医師の氏名
  • 医師又は歯科医師の診療日及び診療時間
  • 建物の内部に関する案内(病院の場合)

(療養担当規則等に基づいて院内掲示が義務づけられている事項)

  • 入院基本料に関する事項(看護要員の対患者割合、看護要員の構成)
  • かかりつけ歯科医初診料に関する事項(治療計画の策定等患者が受けられるサービス等)
  • 厚生労働大臣の定める施設基準の適合性に関する事項
  • 特別メニューの食事の内容及び費用に関する事項
  • 厚生労働大臣の定める療養の内容及び費用に関する事項
  • 役務の提供及び物品の販売等であって患者から費用の支払を受けるものに関する事項

広告規制等の内容等を把握した上で、患者を増やすPR方法として広告対策の強化をする 必要があります。

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