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第33回 患者が増える医院の基本(10)

9月を向かえて、残暑も日々減少傾向にありますが、もうそこまで秋の気配を感じる季節になり、1年の速さを感じる今日このごろです。

さて、前回は広告規制等について説明しましたが、今回は具体的な広告、宣伝方法について説明いたします。

広告の基礎知識

広告には、情報を伝達する「情報機能」と、情報の受け手を説得する「説得機能」とがあると言われています。この二つの機能を有機的に組み合わせながら、効果的に情報を伝達し、説得することが大切です。

これまでの病医院の広告は、医療の公共性から「情報機能」の役割だけを担ってきました。
しかし、広告の規制緩和や、患者の情報ニーズは一層高まることを念頭に置けば、これからは「説得機能」を持つことが重要課題となります。

ローランド・ホールは、広告に対する消費者の心理状態の変化を、以下の五つに分類しております。

  1. アテンション(Attention)= 注意をひきつける。
  2. インタレスト(Interest) = 関心をわかせる。
  3. ディザイア (Desire)  = 欲求を起こさせる。
  4. メモリー  (Memory) = 記憶させる。
  5. アクション (Action)  = 行動させる。

上記のAIDMA(アイドマ)の法則は、商品の販売やサービスを提供する場合の広告を対象にしたものです。しかし、医療機関が、単に医療技術の提供にとどまらず、様々な情報や快適さ、さらに地域とのコミユケーションなど各種サービスの提供により、他の施設との差別化を図るのであれば、そうした病医院の広告にも応用できます。

アテンション(Attention)

広告をみてもらうためには、まず、何か注意(Attention)を喚起させるものがなくてはならない。これは時として鮮やかな色彩であったりする。病医院の広告で考えてみれば、看板ではシンボルマーク(サービスマーク)や医院の名称、さらにはマークや名称に使われている色彩などが、その役割を果たします。

インタレスト(Interest)

次に、広告の内容に関心(Interest)を向けさせねばなりません。広告の中に、何かセールスポイントを盛り込まねばならないわけです。
医療機関の場合は、診療科目や立地条件、診療時間などが売り物になることが多い。だから、単に「内科・循環器科」と看板に書かず、自分の専門である循環器科を赤字で強調したり、あるいはわかりやすい略図を入れたりする工夫が求められる。

ディザイア(Desire)

どうしたら、「欲求を起こさせる(Desire)」ことができるだろうか、病医院では、実際に病気にならなければ来院には結びつきません。
しかし、工夫のしようはあります。新聞の折込みチラシに「毎週木曜日の午後は健康相談日です。」日ごろの健康についてのお悩み、ご家族の健康のお悩みについて、医師が電話でお答えいたします。「どなたでもご気軽にご相談ください」と書くと、一度相談してみようと思う人は少なくないはずです。

メモリー(Memory)

病医院の広告を見た人が、広告に関心を持ったとしても、すぐに忘れてしまうようでは意味がありません。ここで広告の受け手に「記憶させる(Memory)」工夫が必要になります。具体的には、自院の存在を潜在意識の中に刻み込ませて、時に応じて呼び起こさせることが欠けません。「名前は忘れたが、駅前に内科の医院があったな」、「あそこの交差点の横に医院の看板があったな」、「○○医院の電話番号、開院の時にもらった手ぬぐいに書いてあるよ」という具合になればしめたものです。

こうした四つの過程を経て、広告が患者の来院(Action)につながっていきます。

駅看板・バス広告・電柱広告のポイント

駅看板

JR・私鉄を問わず、鉄道の駅では病医院の看板(サインボード)がよく目につきます。
それも当然で、ある鉄道会社の調べによると、駅での看板広告の15%は病医院の広告です。
大規模なターミナル駅よりも、住宅地の近くにあるごく普通の駅に病医院の看板は掲示され、比較的こじんまりした大きさの看板が大半を占める傾向がみられます。
駅看板広告の特徴としては、以下の点が指摘できます。

  1. あらゆる職業・年齢層の人にアピールができます。
  2. 一度出せば、長期間人の目に触れます。
  3. 駅を選ぶことで、アピールする対象を絞れます。
  4. 毎日利用する人が多いため、反復効果があります。
  5. スペースが大きく、デザインの工夫もしやすいです。
  6. 作り替えが比較的簡単にできます。

バス広告

バス広告は、車体に掲示する場合を除き、乗客だけがターゲットになります。病医院といえども、バス広告だけで十分なPR効果が期待できるわけでありませんが、バス路線沿いに立地している医院、特にバス停近くにある医院なら、バス広告の利用を考えて見たら良いでしょう。
広告の種類としては、車内にステッカーを張る方法又、停留所を告げる車内放送の中で、自医院の名前を流してもらう方法があります。
バスの広告は、バス会社の営業所単位で申し込みをするケースが多いです。車内ステッカー広告は、1カ月が契約期間です。一方、車内放送の契約期間は1年です。(会社によって契約内容が異なる事もあります。)

電柱広告

電柱広告は、道路沿いに設置するので通行する人の目につきやすい。電柱は一定間隔で設置されているため、数本連続して提出することによって、病医院の名前を繰り返しアピールできます。又、道路の曲がり角など要所要所に設置し、適切な矢印表示や近隣の有名施設・建物からの距離を表示することによって、病医院までの道案内の役割も果たします。
電柱広告には、「袖広告」と「巻広告」があります。電柱が電力会社のものか、NTTのものかで太さに違いがありますが、広告面積はだいたい同じです。いずれにしても、広告面積が少なく、広告できる情報量は限られているので、瞬間的に自院をイメージできるような内容とすることが大事です。文字よりもシンボルマークやシンボルカラー、ピクトグラム(絵文字)などのビジュアル・アイデンティティを活用すると効果が高いでしょう。

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