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社会保障と税の一体改革素案の発表

先日、社会保障と税の一体改革素案が発表されました。既にご存じの方も多いでしょうが、かねてより言われていた消費税の増税が社会保障財源として明確に位置づけられ、その具体的な増税幅も示されることとなりました。この消費税問題が医療・介護事業者に大きな影響を及ぼす、という話もご存じかもしれませんが、これについては様々な議論が行われた結果、診療・介護報酬で補填するというところで一応の決着となったようです。しかし、まだまだ多くの問題が残っており、今後の動向には注意していきたいところであります。

ところで、今回は消費税増税の陰に隠れがちな社会保障の部分での改革素案にスポットを当ててみることにしました。この社会保障改革については、消費税増税の名目的な意味合いも強く、また、増税による財源も、既に増幅して手に負えない状況となっている医療費等の社会保障に充てるのが精一杯で、新たな社会福祉事業に充てられる財源は乏しいのでは、という懸念もあります。実際、税の改革ばかりが目立っているのが現状ではありますが、福祉の業界に身を置く者としては押さえておきたいポイントもあるので、その中からいくつかテーマを絞り今後掲載していきたいと思います。

【子ども・子育て新システムの創設】

以前より国は「幼保一体」のこども園の推進を画策してきましたが、所管の問題等、様々な障害があり、進捗に成果は見られていないのが現状であります。しかも、待機児童の問題が報じられるのはもはや日常茶飯事のことで、保育における国の政策は完全に後手を踏んでいると言わざるを得ないのが現実です。この今の状況で幼保一体を推し進めるのはやや無謀な印象も受けますが、今回の社会保障改革素案では子ども・子育て新システムの創設として保育の量的拡充と共に幼保一体化を掲げており、13年度をめどに段階的に実施するとされています。保育の量的拡大については随分と前から要望のあった事項でもあり、12年度の予算案の中では保育所受け入れ児童数を約5万人拡大するとされていますが、その為には当然財源が必要であり、どこまで実現されるのか疑問が残るところであります。自治体により保育提供体制が大幅に異なる「保育格差」が問題となってくる可能性も考えられます。

その反面、幼保一体化では国は制度を整えるだけで、それに伴う負担は事業者が負うような形で進められることは十分考えられるので注意が必要です。厚労省と文科省の足並みが揃えば、一気に制度化が推し進められる事態となっても不思議はないので、関係事業者においては常に今後の動向を伺いつつ、いつ荒波が来ても耐え、それを成長に結びつけることができるよう、内部体制の一層の充実を図るべきでしょう。特に認可保育所を運営する事業者においては、こども園への移行推進を目的に、現行の設備基準の大幅な変更や公的資金の配分の変化など、経営に決定的な影響を及ぼす制度改正が行われるリスクも念頭に置き、万全の準備態勢を整えておく必要があるでしょう。

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