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第37回 医院開業の基本とポイント(4)

2月を向かえ、寒波も徐々にやわらぎつつあります。札幌雪まつりも終わり春がそこまできていると感じる季節になりました。

前回は、グループ診療の基本とポイントを説明しました。今回は開業地の選定等について説明を致します。

開業地の選定

診療所の経営が順調に発展していくには、どこで開業するかが重要です。患者の確保等を考えた場合、出身地や出身大学や勤務先の周辺のように、地域の状況が良くわかっているところを第一に考えるのが良いと思いますが、基本的にはドクターの診療方針と地域の医療ニーズが一致することが重要です。そのためには医療需要・供給関係も立地選定上大変重要なウェイトをしめることになります。

開業地の選定にあたっては、一般的には次のような立地条件が望ましいとされています。

  1. 人が多く生活している場所(住宅街やオフィス街など)
  2. 人の集まる場所(商店街、繁華街など)
  3. 人の通る場所(駅周辺、バス停の近くなど)
  4. 分かりやすい場所、利用しやすい場所(大通りに面した正面、オフィスビルの中など)
  5. 競合病医院の少ないところ
  6. 将来の発展が見込めそうなところといった条件が満たされるのが望ましい。

(1)土地等の条件

土地上の制約

ア、用途地域と用途制限

都市計画地域では、都市計画法に基づき、地方公共団体ごとに用途地域が定められている。用途地域は工場や住宅など、環境条件が異なる用途の混在を防ぎ、地域ごとに協調する用途の建築物で環境形成することを目的としています。大きく、住居系、商業系、工業系の3つの区分で、無指定区域も含めると計13種類に分類されます。用途地域の中でどんな建築物が建てられかは、建築基準法にまとめられています。用途規制に適合しない建築物を建築する際には、特定行政庁による許可を取らなければなりません。

また、診療所や住宅等の建物(建築物)は、都市計画法や建築基準法によって、建築できる地域が制限されます。都市計画法においては、都道府県知事は都市の健全な発展と秩序ある整備を図るため、「都市計画地域」と指定することができるとされています。都市計画地域には市街化区域や市街化調整区域などを定め、さらに市街化区域は用途地域を定めます。

市街化区域は、すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図る地域です。又、市街化調整区域は市街化を抑制すべき区域で原則的に建物等の建築はできません。

※市街化調整区域の場合、平成19年11月30日から、市街化調整区域に病医院を建築する場合には開発許可が必要となりました。

イ、農地の場合

農地の場合は農地のままでは建物が建築できないので、市町村の農業委員会に転用許可が確実に得られるかどうか検討する必要があります。農地には、農業振興地域に関する法律による規制と農地法による規制があるので、農地に医院を建てる場合には、定められた手続きが必要になります。

建ぺい率・容積率等の制限

建築基準法により都市計画区域内の建築物については安全上、防災上及び衛生上の視点から建ぺい率・容積率など各種の制限が定められている。

ア、建ぺい率

建ぺい率とは、建築物の建築面積の敷地面積に対する割合で、用途地域によって定められた数値を超えて建物を建築することはできない。

イ、容積率

容積率とは、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合で、用途地域によって定められた数値を超えて建物を建築することはできない。なお、容積率の緩和規定もあるので必要に応じて確認する必要があります。

その他、高さ制限、斜線制限、日影制限、接道制限などがあります。

建築上の制約

建築上の制約として次の点に留意する。

  • 地価・・・・・・・開業計画にあった地価であること、そうしないと建築費への制約がでてきます。
  • 敷地面積・・・・・敷地形状 建ぺい率、容積率などの関係があります。
  • 防火指定・・・・・市街地における火災の危険を防除するための指定される地域です。防火地域内では、階数が3以上(地階を含む)または延べ面積が100㎡を超える建物は耐火建築物または簡易耐火建築物とする必要があります。
  • 浄化設備要因・・・下水道が完備している地域が否かにより建築設計上にも影響があります。

土地の物理的条件

土地の物理的条件は次のとおりですが、購入・賃貸にあたっては以下の点に留意する必要があります。

  • 敷地面積・・・診療スペースと必要な駐車場の確保できる広さが必要です。
  • 敷地形状・・・形状は正方形か長方形で変形地でない方が良いです。
  • 取付道路幅・・病医院には車で通院する患者もいるため、車道と敷地との関係も大切です。
  • 地盤・・・・・軟弱な地盤より安定している地盤がよいです。
  • 河川・・・・・大雨などで影響を受けるような河川に隣接していない。
  • 道路・・・・・公道が近くにあり出入りがしやすく、所在地が説明しやすいところがよいでしょう。
  • 集落・・・・・近くに商業地、住宅地など人が集まり、生活基盤が確立されている商業地・住宅地が良いでしょう。

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