トップページ » 福祉医療トピックス » THE 医業経営 » 第38回 医院開業の基本とポイント(5)

第38回 医院開業の基本とポイント(5)

3月も月末を向かえ、雪も融けだし春の足跡がもうそこまで来ています。早く春を感じたいと感じる今日このごろです。

前回は、開業地の選定等について説明をしましたが、今回は交通の便利性等について説明を致します。

交通の便利性

来患者数は交通の便利性によっても大きく左右されます。患者は病医院への距離もさることながら時間が重要な要素となります。距離感の判定要素として絶対時間の他に情緒的時間もあることを認識しておくことが必要です。公的交通機関と私的交通機関との分類できます。

(1)公的交通機関

  1. 隣人口密集地と人口 近隣密集地から診療所近くに駐停車する交通機関があるか。
  2. 病医院へのバス、電車停での所要時間、本数(何分おきか)交通機関所要時間が短く、しかも本数が多い方がよいでしょう。
  3. 主要ターミナルまでの所要時間、本数 主要ターミナルまでの所要時間が短く本数が多い方がよいでしょう。
  4. 主要ターミナルからの交通機関の種類と本数 主要ターミナルまでの交通機関の種類と本数が多い方がよいでしょう。

私的交通機関

  1. 近隣人口密集地と人口
  2. 近隣人口密集地と経路 一方通行より両方通行以上があり、また、診療所の入り口へ入りやすい方がよいでしょう。
  3. 道路整備状況 国道、県道、市道に接しているかすぐ近い方がよい、当然車の横付けができる方がよいし、車線数も多い方がよいでしょう。
  4. 渋滞状況 現状の交通状況を調査する専門会社があるので必要があれば検討します。
  5. 駐車場 車社会であるために充分なスペースが確保されているかは来患数に重要な要素となる。とくにビル診であれば何院もあるために充分なスペースが必要です。ビル診の駐車場は区分せずに共有で使用してもらうことが良いでしょう。病医院専用の駐車場がないとすれば近くに駐車場があるかどうかも検討します。その場合には、有料か無料かの検討も必要です。

環境イメージ

イメージも次の4つの視点からふさわしいものであることが必要です。

  1. 隣イメージ
  2. 隣接イメージ
  3. 景観イメージ
  4. 公衆衛生イメージ

街の将来性

開業する街がすでに成熟した街であるか、今後さらに発展する要素(都市計画、道路計画、地場産業の発展性)があるかどうかということも重要なチェックポイントとなります。市役所等で「要覧」「都市計画地図」などを確認し、街の将来性を把握しておく必要があります。

※立地調査を実際に行ってみることが必要です。時間帯(午前、午後)、曜日(平日、土、日曜日)、天候(晴、雨)なども考慮します。また、半径2Km以内は車などで実際にまわって見る必要があります。手順としては、上記を調査して検討したうえで下記について確認をする必要があります。

  1. 1万分の1.2万5000分の1あるいは5万分の1の「白地図」を購入する。自己開業地点中心に半径約2km円内、河川、道路、地形、集落その他の事柄を記入します。
  2. 地図上に交通機関(電車、バス等)や競合病医院を記入する。
  3. 調剤薬局をプロットする 医業分業を行う場合には極めて重要なことです。調剤薬局の所在は、地区薬剤師会に問い合わせれば分かります。

ここまでの立地調査を行ったうえで、立地の正否を概略判断することができるか、より正確な判断は診療圏調査を行うことにより確定します。

開業相談相手の特徴

相手先 特徴
①医薬品メーカー 医業経営に関する深い知識はどうか、幅広い情報を持っている。眼科などの診療科で全国レベルの情報があります。コンサル業務を行っています。
②医薬品卸
③不動産会社 売りたい物件を優先。売ったら終わり。医業については素人です。
④建設会社(設計事務所) 医院建築を専門にしている業者や設計事務所もあります。欠点は、採算性を度外視して高額な建物になる傾向があります。
⑤医療機器販売会社 良心的商いをするかどうか。一社だけに限定されやすい。精度の高い開業情報が早いです。
⑥開業医の先輩 本当のことをなかなか言わないが、会計事務所を紹介することも多いです。
⑦会計事務所 医業のことを知っているかどうか、事務所間における格差が著しい。どこまで依頼できるかが心配です。
⑧コンサルタント 報酬の問題。何が得意か、当たり外れが大きい。期待しすぎます。
⑨医業経営コンサルタント 日本医業経営コンサルタント協会が認定した「認定登録医業経営コンサルタント」は医業経営に精通しており信頼ができます。本部・各都道府県の支部に問い合わせができます。
⑩金融機関 銀行業務の範囲までで特に医療を専門に研究している部門はほとんどありません。但し、地域の病医院の財務内容を中心とした経営資料は保有しています。
⑪医師会 開業相談において各都道府県の医師会の対応はバラツキがありますが、開業相談相手には是非加えておく必要があります。

『第38回 医院開業の基本とポイント(5)』はお役にたちましたか?
「いいね!」をクリックして感想をお寄せください!