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第39回 医院開業の基本とポイント(6)

4月になり、本州の桜前線も北へ北へと進んでいます。札幌も雪解けが進み春らしい気候になりつつあります。草木の息吹を感じる今日このごろです。

前回は交通の便利性等について説明しましたが、今回は診療圏の調査について説明をいたします。

診療圏の調査

開業の立地場所が決まれば次に医療需要を把握することになります。病医院は地域住民の共同利用施設になりますので、便利なところが良いでしょう。又、病医院はその地域社会の必要とする医療の性質とその量によって性格づけられることになります。

診療圏とは、自院が開業して自院にどのような患者(傷病名)が、どの地域・地区(町丁別)からどれだけ来院(推定患者数)してくれるかという居住地の範囲をいいます。すなわち、地域的にどの方面からどれだけの距離範囲にわたって利用患者が分布しているかという態様を表す概念です。

(1)診療圏の第一次設定

白地図のうえに開業地を中心に、半径500m、1km、2kmとコンパスで円を描いて、診療圏に当たるエリアを明らかにする。内科、外科などの基礎診療科で考えると、次のようになります。

①第一診療圏

徒歩で10分以内外来患者の60%、通常医療機関を中心に半径500m以内。通常診療圏算入割合は80%。

②第二診療圏

バスなどの交通機関で20分以内外来患者の80%、通常医療機関を中心に半径500m~1km以内。通常診療圏算入割合は40%。

③第三次診療圏

医療機関を中心として半径1km~2km程度、距離、時間に関係なく、特別な事情による患者。残り20%の外来患者とする。残り20%の外来患者とします。通常診療圏算入割合は20%。

④第四次診療圏

通常診療圏算入割合は10%。

⑤診療圏設定の留意点

  1. 国民生活基礎調査によると片道15分未満で59%が通院しているという統計がでています。徒歩で15分の範囲と考える場合には半径1kmが基本的な診療圏となります。
  2. 専門、特殊の診療科や病院等の診療圏は広くなります。
  3. 開業地域により診療圏の設定が変ってきます。例えば都市と郡部とでは診療圏の範囲が異なってきます。
  4. 開業計画の作成に当たり、当初は診療圏をやや狭めに確定したほうが、健全な事業計画となるでしょう。

(2)診療圏の第二次設定

具体的実施調査を資料により、診療圏をより明確にします。次の手順で行います。

  1. この圏内に幹線道路や鉄道、大きな川、あるいは山などがある場合は、その内側を診療圏と設定し修正をする(縮小要因)。また、土地利用と宅地事情なども考慮します。開業地近くに商店街などの人口流入要因があれば診療圏を川上川下に応じて拡大修正をします(拡大要因)。
  2. この診療圏内で既存の病医院の場所をプロットし、病院・診療所、診療科目別に色分けをします。
  3. 診療圏内の人口を町丁別、年齢別、男女別、昼間、夜間別に求めます。
  4. 疾病分類、年齢別の受療率を町丁別人口により、町丁別の受診人口を求め、合計すると、診療圏の受診人口が得られます。
    ※受診率は、厚生省の「患者調査」のデータによるか、傷病別の受療率になっているため、診療科目に該当する受療率を求めるには、その診療科目に該当する傷病の受療率を合計して求めなければならない。

診療科と傷病郡の分類

主な診療科の分類 傷病郡(大分類)
①内科系:内科、呼吸器科、消化器科(胃腸科)、循環器科 Ⅰ感染症及び寄生虫症
Ⅱ新生物
Ⅲ内分泌・栄養及び代謝疾患並びに免疫障害
Ⅳ血液及び造血器の疾患
Ⅴ神経及び感覚器の疾患
Ⅵ循環器系の疾患
Ⅶ消化器系の疾患
②外科系:外科、整形外科、形成外科 Ⅷ筋骨格系及び結合組織の疾患
Ⅸ損傷及び中毒
③産婦人科 Ⅹ妊娠・分娩及び産褥の合併症
XI周産期に発生した主要病態
④小児科 ⅠからXIの0~14歳の合計

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