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第7回 税務調査事例と対応(3)

医療法人役員の親族関係者や個人開業医の専従者に支払われる報酬・給与金額の整合性

親族関係者が医療法人の役員に就任している場合や事業専従者に支払われる報酬・給与の金額が、業務内容や社会通念上妥当な金額か否か?が税務調査のポイントになるケースは多々存在します。

まず、医療法人役員の場合と事業専従者の場合の基本的な支給の考え方を整理します。

①医療法人役員の場合

法人税法第34条第2項において「役員に支給する報酬の額のうち不相当に高額な部分の金額は、事業所得の金額の計算上、損金の額に含めない」と定めており、法人税法施行令第70条において次のように判定することとしています。

A.実質基準

  • a.その役員の職務の内容、職務に従事する程度(頻度)及び経験年数
  • b.その医療法人の収益状況や規模等
  • c.使用人(従業員)に対する給与の支給状況
  • d.同規模程度の他の医療法人の役員に対する報酬の支給状況など

B.形式基準

  • 定款又は寄付行為の規定、又は総会の決議により報酬として支給することができる限度額を定めているときは、その限度額を超えて支給されたかどうかの判定。 また、平成19年改正において、退職給与以外の給与(通常の報酬分)は①定期同額給与、②事前確定届出給与、③利益連動給与、に分類され、それぞれの要件を満たさない場合には、損金の額に含めないこととされていますので、顧問税理士とよく相談しましょう。

②個人開業医の事業専従者の場合(青色事業専従者とする)

基本的考え方は、事業主と生計を一にする親族であって、専ら事業に従事している者(配偶者等)、年齢が15歳以上(その年の12月31日現在)で年を通して6ヶ月を越える期間従事していることなどが要求されています。

また、形式要件として「青色専従者給与に関する届出書」を提出していることが要件となっています。青色事業専従者の給与は「労務の対価」を基準としており、従事期間(時間)や労務の性質、提供の程度などを総合的に勘案し決定することが必要です。

ここで一つの目安になるのが、従業員や他医療機関専従者の職務・給与などが基準となります。

よく、同じ職務内容でも、医療法人の役員と事業専従者の報酬・給与とに差が発生する場合がありますが、これには、「事業専従者は労務の対価」を前提としているのに対し、医療法人役員は「経営の委任契約」を前提とした報酬基準となっているためです。

つまり、経営責任がある分、医療法人役員は報酬額が高めに考えられていることになります。

税務調査において重要なのは、報酬・給与額の決定もありますが、労務実態がなかったり、経営参画実態がなかったりしている場合が多いため、報酬・給与支給の際には、支給要件をしっかりと認識しましょう。

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