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第12回 医療法人制度(3)

先月弊社では、医療法人化対策セミナーを開催しました。

第五次医療法改正(H19.4施行)で医療法人制度が大きく変わりましたが、法人としての運営自体には税制度も含め大きな変更点はありません。

最大の特徴は、法人の①入口「出資持分を有しないこと」と②出口「解散時等の場合、残余財産は国等の帰属とする」と③これまで明文化されていなかった規定や規約の整備が、改正の特徴です。

道内医療機関の医療法人化申請は、平成18年度まで年間100件前後あったものが、平成19年度24件・平成20年度28件と大幅に減少しているのが実態です。医療機関の税務対策や事業領域の拡大、経営と家計の分離には医療法人化は最大の効果を発揮することが可能と考えますので、医療法人化について研究してほしいものです。

さて、今回は「個人・法人の税体系や税制度」について掲載します。

1.事業所得に対する税金の体系

個人の場合、事業所得に対する税金は①所得税(国)②住民税(都道府県市町村)③事業税(都道府県)の3種類です。医療法人は①法人税(国)②法人住民税(都道府県市町村)③法人事業税(都道府県)と同じ3種類になります。

しかし、大きく違うのが、税率や所得金額の区分に特徴があります。

  • 個人事業の場合、最低税率15%~最大税率50%(所得税・住民税を含む)
  • 医療法人の場合、最低税率26%~最大税率約36%(法人税・住民税を含む)

※事業税は、個人事業5%・医療法人5%~6.6%ですが、社会保険診療報酬に関する収益は非課税であることと、税務上は必要経費として損金経理できる点で多少異なる為、上記税率には、含めておりません。個人経営と医療法人経営は、同じ収支状況でも経営主体が違うだけで、税務面での取扱いが大きく異なります。

2.所得の区分について

個人事業では、医業所得のほか給与収入や株式売買・配当金受領、不動産の貸付や不動産の売買など各取引や所得の種類によって10の所得に分類し、総合課税方式(全体を取りまとめて計算)や分離課税(その一取引のみの計算)で納税額の計算を行うのに対して、医療法人は、法人が行う全ての取引を一括して法人所得の計算上収支計算を行うものとしています。

個人では分離課税で赤字切捨てとなる取引でも、医療法人では全体で損益通算することが可能となる場合もあるため、税務的にも有利となる場合があります。

3.税制度の相違点

①欠損金の繰越期間(個人3年・法人7年)、②減価償却費の計上(個人強制・法人任意)、③会計年度の設定(個人1月~12月・法人は原則自由設定)、④社会保険診療の源泉所得税(個人あり・法人なし)、⑤親族の給与設定(個人・原則専従者のみ、法人・役員全員)など取扱いには、大きな相違点が多々存在します。

先ず、医療法人化の検討の際には、制度自体を勉強することも必要ですが、当医院が法人化した場合、経営収支や財産の区分がどのように行われ、どのように運営するか?も検討が必要となりますので、専門家(税理士等)にご相談しながら進められることをご提案します。

次回は、個人・法人の経費の取扱い相違点について掲載します。

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